新しいビジネスを立ち上げる際、必要な資金調達の一つが創業融資です。
しかし、具体的にはいくら借りられるのでしょうか?創業融資の借り入れ可能額は、多くの要因に依存します。以下に、その要因と具体的な事例をもとに解説します。
創業融資のサービスをしているのはどこでしょうか?
まず、創業融資をどこで検討すればいいのか?について解説します。
創業融資のサービスを提供している主な機関は、以下のとおりです。
- 日本政策金融公庫
- 民間金融機関
- 自治体
日本政策金融公庫
日本政策金融公庫は、国の政策に基づいて融資や保証を行う金融機関です。創業融資では、無担保・無保証人、低金利で融資を受けることができます。
●借入できる金額 ~3000万円
民間金融機関
民間金融機関では、創業融資のほか、事業者向けのローンや信用保証などを提供しています。
日本政策金融公庫の融資に比べると、金利の条件は高い設定になる場合が多いですが、融資額の幅が広いため、自分に合った融資プランを見つけることができます。
●借入できる金額 ~数千万から1億程度
自治体
自治体では、創業支援の一環として、創業融資や補助金・助成金などを提供しています。融資額や金利は、各自治体によって異なります。
●借入できる金額 ~1000万円程度
参考 ・創業者向け補助金・給付金(都道府県別)|Jnet21
その他の機関
ベンチャーキャピタルやクラウドファンディングなど、創業融資を提供する機関は、他にもあります。
●借入できる金額 ~数千万円から数億円程度
注意点
創業融資の場合、利用条件が「事業実績が1年以上」となっている場合もあります。
まったくの新規事業融資と区別されているので、注意が必要です。
創業融資でいくら借りれる?
日本政策金融の「新創業融資制度」の利用条件と融資限度額は、次のとおりです。
資金のお使いみち | 新たに事業を始めるため、または事業開始後に必要とする設備資金および運転資金 |
---|---|
融資限度額 | 3,000万円(うち運転資金1,500万円) |
実際に借りられる金額は、以下の要素によって異なります。
- 創業資金総額
- 自己資金の金額
- 事業の計画性・実現可能性
- 経営者の資質・経験
以下に、事例をいくつかご紹介します。
ケース1:自己資金50万円で300万円の融資
Aさんは、20代で起業し、飲食店を経営しています。自己資金は50万円でしたが、事業計画がしっかりしていたこと、飲食店の経営経験があったことなどから、300万円の融資を受けることに成功しました。
Aさんの事例では、自己資金が少ないため、事業計画のしっかりさや実現可能性が重視されたと考えられます。
Aさんは、飲食店の経営経験を活かして、具体的な売上目標や原価率などを提示した事業計画を作成していました。また、飲食店の経営に関する知識やノウハウを持っていたことも、融資に有利に働いたと考えられます。
ケース2:自己資金200万円で1,000万円の融資
Bさんは、30代で起業し、ITサービスを提供しています。自己資金は200万円でしたが、事業の成長性が高いこと、IT業界の経験があったことなどから、1,000万円の融資を受けることに成功しました。
Bさんの事例では、自己資金が比較的多かったため、事業の成長性や将来性などが重視されたと考えられます。
Bさんは、IT業界の最新動向を把握し、今後成長が見込まれる分野でサービスを提供する計画を立てていました。また、IT業界での経験を活かして、事業を成功させるためのノウハウを持っていたことも、融資に有利に働いたと考えられます。
ケース3:自己資金なしで1,000万円の融資
Cさんは、40代で起業し、Webサービスを提供しています。自己資金はありませんでした。しかし、事業のアイデアが斬新で、実現可能性が高いこと、経営者の経験が豊富だったことなどから、1,000万円の融資を受けることに成功しました。
Cさんの事例では、自己資金がないことを補うために、事業のアイデアや実現可能性、経営者の経験などが重視されたと考えられます。Cさんは、新しい技術を活用したWebサービスを提供するアイデアを持っており、実現可能性も高いと判断されました。また、経営者の経験が豊富だったことも、融資に有利に働いたと考えられます。
これらの事例から、創業融資を受ける際には、以下のポイントを押さえておくとよいでしょう。
- 事業計画をしっかりと作成する
- 自己資金をできるだけ積み立てる
- 経営者の資質・経験を磨く
- 自分の事業に適した融資制度を探す
- 融資の条件をよく確認する
また、創業融資を受けるための相談窓口もありますので、まずは相談してみるのもよいでしょう。
事業継続のための事業融資
創業であっても、そうでなくても運転資金等の短期借入が必要な場合は、民間のビジネスローンを利用することもできます。
金利は高い設定になっていますが、短期での借入なら利息負担も大きくないので、どうしても急な資金調達が必要なら検討してみましょう。
参考